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エロール・ル・カイン

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イギリスの絵本作家、エロール・ル・カインの作品

――絵本原画、未使用原画、スケッチ、アニメーション画、初版本など、

200点を超える世界でも屈指のコレクションを所蔵しています

コレクションは常設展示または企画展示で展覧しています

(常設展示は約20点、企画展示の場合は50~80点を展覧します)

※現在、企画展「没後35年エロール・ル・カイン絵本原画展」が開催中です。

絵本原画やアニメーション画、未使用原画など約70点を展示しています。

現在の展覧作品(企画展示:2024年3月23日~7月1日)
●『アーサー王の剣』より(1点)
●『キャッツ』より(2点)
●『三つのまほうのおくりもの』より(2点)
●『おどる12人のおひめさま』より(6点)
●『いばらひめ』より(4点)
●『アルフィとくらやみ』より(2点)
●『かしこいモリー』より(3点)
●『キャベツ姫』より(1点)
●『キューピッドとプシケー』より(6点)
●『サー・オルフェオ』より(1点)
●『白猫』より(2点)
●『シンデレラ』より(1点)
●『ハイワサのちいさかったころ』より(1点)
●『美女と野獣』より(2点)
●『フォックスおくさまのむこえらび』より(2点)
●『魔術師キャッツ』より(4点)
●『まほうつかいのむすめ』より(1点)
●『アラジンと魔法のランプ』より(3点)
●『ぼくのいもうとみなかった?』より(2点)
●『Puffin’s Pleasure』より「グランマ」
●『The Sly Cormorant and The Fishes』より(2点)
●『Faber book of Children's Songs』より(1点)
●『Crisis at Crabtree』より(2点)
●『Walter de la Mare Collected Rhymes and Verses』より(2点)
●『The Flying Ship』より(1点)1975年
●『Mystery of the Disappering Schoolgarls』より(2点)
●『A School Bewitched』より(2点)
●『The Little Dog of Fo』より(4点)
●『Judge Pao』より(1点)
●『The Beachcombers』より(2点)
●『The Dragon Kite』より(2点)
●『The House on the Strand』より(1点)
●『King's White Elephant』より(1点)
●『The Devil's Piper』より(1点)

※展示は年に数回、入れ替えます

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“イメージの魔術師” エロール・ル・カイン Errol Le Cain

 

 “イメージの魔術師”と称されたエロール・ル・カインの描くイラストレーションは、

東洋美術と西洋美術、幻想性と写実性、繊細さと大胆さ、

ともすると相反するかのような特徴をあわせもつ。

また細密に描かれたそれは装飾性が強く華麗、絢爛そのものである。


 エロール・ル・カインは1941年、シンガポールに生まれた。

翌年の1942年には日本軍の侵攻を逃れて、家族とともに戦争中をインドで暮らす。

戦後、シンガポールに戻ってからは、家の隣にあった映画館に通い、

11歳の時には8ミリカメラでアニメーションをつくるほど映画に夢中になった。

15歳の時、2作目の作品が映画社の目にとまり単身渡英。

以来、アニメーションの制作に携わる。

 

 68年に映画用に描いたラフスケッチが元となり『アーサー王の剣』を出版し、

「ずっとやりたいと思っていた」絵本作家としての第一歩を踏み出した。

その後、『いばらひめ』『おどる12人のおひめさま』『美女と野獣』

『まほうつかいのむすめ』など48冊の絵本を出版。

85年には『ハイワサのちいさかったころ』でケイト・グリーナウェイ賞を受賞し、

イギリスを代表する絵本作家となった。


 東洋、西洋、映画、アニメーション、その来歴を知ると

ル・カインの描くイラストレーションの秘密を少し垣間見た気持ちになる。

自身のなかに吸収したさまざまな像を自由自在に引き出し、組み合わせ、

ひとりの作家が描いたとは思えないほどの多様な作風によって形にする器用さは、

まさに“イメージの魔術師”の名にふさわしい。


 ミュージアムが誇るエロール・ル・カインのコレクションから、

選りすぐった原画、スケッチなどの数々を展覧する本展で、

89年に47歳の若さで惜しまれつつも世を去ったル・カインの、

類まれなる才能をぜひその目で確かめていただきたい。

 

(2009年開催「エロール・ル・カイン絵本原画展」フライヤーより)

 

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