キミのそばに
刀根里衣絵本原画展
会期:2022年9月17日(土)~12月25日(月) 終了
■美しく幻想的な絵本の世界。その原画が一堂に会する初の個展
イタリア・ミラノを拠点に創作活動を行う刀根里衣(とね さとえ)さん。絵本作家となるきっかけは2010年、イタリア・ボローニャの児童書ブックフェアでのこと。絵本のサンプルがイタリア人編集者の目に留まり、“Questo posso farlo”(邦題『なんにもできなかったとり』)を翌2011年に刊行、絵本デビューを果たします。
その後、ボローニャ国際絵本原画展に2012年から2年連続で入選。2013年には、同原画展において日本人で初めてとなる国際イラストレーション賞を受賞します。受賞作品を絵本化した“EL viaje de PIPO”(同『ぴっぽのたび』)は日本でのデビュー作となり、四季のうつろいと主人公の心の機微を色鮮やかに、繊細に描いた作品は、刊行から半年で5回も増刷を重ねることとなりました。
「読んでいて、そして見ていて優しい気持ちになれる絵本を作りたい」。作品に通底する、“キミのそばに”と寄り添うようなメッセージが伝わってくる作品の数々は、日本をはじめヨーロッパやアジアでも多くの読者を魅了しています。
これまでに出版された絵本の原画が一堂に会する初の個展となる本展では、18の絵本から原画約50点と、愛用する画材、下絵やスケッチ、試作本など、制作の過程を垣間見ることのできる資料を展示します。思わずページを繰る手を止めて見つめてしまうような、美しく幻想的な絵本の世界をどうぞお楽しみください。
■刀根里衣 Tone Satoe
1984年、福井県生まれ。2011年、イタリアの出版社から絵本デビュー。以来、ミラノを拠点に創作活動を行っている。日本をはじめヨーロッパやアジアでも、幻想的で繊細な作品が人気を博す。2022年、環境をテーマにした絵本『ペンギンかぞくのおひっこし』が、国際連合(UN)“SDG Book Club”が選ぶ、SDGsに親しめるブックリストに選出された。